書を持って、町へ出よう! 書店員が本気ですすめる、旅行・おでかけのお供にぴったりの新書
書店員がすすめる、思わず感動する新書!⑦
◆おとぎ話に出てくるような町並みが残る非日常にワクワク
『物語チェコの歴史』薩摩秀登・著(中公新書)
九世紀のモラヴィア王国の誕生以来、歴史に名を現わすチェコ。栄華を誇った中世のチェコ王国は、そののち、ハプスブルク家に引き継がれ、さらに豊かな文化を生み出す…。美しい景観の背後に刻印された歴史を、各時代を象徴する人物のエピソードを核にわかりやすく解説したチェコの歴史を知る入門書。
☆推薦人:三省堂書店東京駅一番街店 岩本さん
「外出先に持っていきたい新書って、日々の仕事から離れて気分転換をしたいときに読みたい一冊だと思うんです。そういう意味で、本書は普段あまり知らないような国を知って、味わって、想像を膨らますことができるので、推薦したいと思いました。チェコという国は意外と知られていないのですが、とても魅力ある国。中心地であるプラハにはおとぎ話に出てくるような町並みが残っていて、そういった非日常、誰しもが憧れるような情景が楽しめます。そして、そこには激動の歴史があります。あまり知らない国だからこそ、想像を膨らませて、ワクワクしてほしいなと思います」
◆本を片手に美術館巡り、西洋絵画への理解が深まる本
『キリスト教シンボル事典』ミシェルフイエ・著(白水社)
『スターウォーズ』のルーク、『マトリックス』のネオ、これらの名前に込められた意味を知るだけでも、映画の味わいが変わってくる。西洋の文化芸術に登場する500以上のシンボルの意味を、福音書を中心に聖書全体から集めて解説。絵画のみならず、映画や西洋芸術全体に対する造詣が深まる小事典。
☆推薦人:三省堂書店池袋本店 金澤さん
「美術館に行くのが好きと言ったら、知人にオススメされたのが、この本でした。西洋絵画を見るときに、本書は非常に便利なんです。たとえば、西洋絵画にリンゴが描かれていたら、そこにどういう意味がこめられているのか。解説によって理解を深めることができます。西洋絵画の解釈に欠かせない、キリスト教に関する知識が豊富で、とても勉強になる。そういった専門書ってどうしても分厚くて、持ち運びには適さないものが多いのですが、すっとバッグに入れておけるコンパクトなサイズ感は新書ならでは。本を片手に美術館巡りをしたくなる、好奇心をくすぐられる一冊です」
本には外出や旅行に持っていく楽しみもある。読む場所が変われば、味わいもまた変わる。その点でもコンパクトな新書は非常に便利。「最近ワクワクしてない」。そう思ったら、これらの新書で刺激的な非日常を体験してみてはいかがだろうか?
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